Google Vertex AI と dejiren の接続設定方法
本記事では、Google Vertex AI と dejiren の接続設定方法について説明します。
前提条件・必要な権限
- Google Vertex AI との連携には、Business Standard プラン以上での Google Workspace のご契約が必要です。
| サービス名 | 必要な権限 | 権限が必要な場面 |
|---|---|---|
| Google Cloud コンソール | 管理者 | ・プロジェクトの作成 ・OAuth同意画面の作成 ・APIの有効化 ・サービスアカウントの作成 ・OAuthクライアントの作成 |
| Google Workspace 管理コンソール | 特権管理者 | ・サービスアカウント・OAuthクライアントのアクセス権設定 ・プライマリドメインの確認 |
| dejiren | VA 編集権限 (VA 管理者、もしくはVA 編集者) | ・接続設定の作成 |
設定作業の流れ
設定手順
手順1. プロジェクトの新規作成
※本章では dejiren 用のプロジェクトを新規作成する手順をご案内します。
既存のプロジェクトを利用する場合は、本章をスキップして設定手順2.から開始してください。
1. Google クラウド管理コンソールに特権管理者アカウントでアクセスし、プロジェクトをクリックします。
2. [新しいプロジェクト]をクリックします。
3. [プロジェクト名]を入力して[作成]をクリックすると、プロジェクトの新規作成は完了です。
手順2. API の有効化
1. Google クラウド管理コンソールを開き、[APIとサービス]をクリックします。
2. [ライブラリ]をクリックします。
3. 検索文字列入力欄に [ Vertex AI API ] と入力して検索します。
4. 検索結果に表示された Vertex AI API をクリックします。
5. [有効にする] をクリックします。
6. Vertex AI API の詳細画面が表示されると API の有効化は完了です。
手順3.サービスアカウントと秘密鍵の作成
1. APIとサービス 画面の [認証情報] をクリックします。
2. [認証情報を作成] をクリックします。
3. [サービスアカウント] をクリックします。
4. [サービスアカウント名] と [サービスアカウントID] に任意の値を入力し、[完了] をクリックします。
5. 認証情報の画面に遷移するので、[サービスアカウントを管理] をクリックします。
6. 作成したサービスアカウントの [メール] 部分をクリックします。
7. サービスアカウントの詳細情報が表示されるので、[一意のID] をコピーして、クリップボードなどに控えます。
※後ほどアクセス権の設定を行う際に、コピーした [一意のID] の値を使用します
8. [鍵] のタブをクリックします。
9. [キーを追加] をクリックします。
10. [新しい鍵を作成] をクリックします。
11. [キーのタイプ] で [JSON] を選択し、 [作成] をクリックします。
12. ダウンロードの完了メッセージが表示されるので、[閉じる] をクリックします。
※ダウンロードしたJSONファイルは後の設定作業で使用するため、デスクトップなど参照しやすい場所に保存してください。
手順4.サービスアカウントに付与するアクセス権の設定
1. [Google Workspace の管理コンソール] に管理者としてログインし、
[セキュリティ] > [アクセスとデータ管理] > [APIの制御] の順番でメニューをクリックします。
2. [ドメイン全体の委任を管理] をクリックします。
3. [新しく追加] をクリックします。
4. [クライアントID] に手順4で作成したサービスアカウントの [一意のID] を転記します。
5. [OAuthスコープ] に以下のカンマ区切り文字列を転記し、[承認] をクリックします。
https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform,https://www.googleapis.com/auth/devstorage.read_write
6. API クライアントの一覧に、アクセス権を設定したサービスアカウントが追加されるので、
[詳細を表示] をクリックします。
7. 詳細画面のスコープに、以下が設定されていることを確認します。
・https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform
・https://www.googleapis.com/auth/devstorage.read_write
手順5.プロジェクト ID の確認
Google クラウド管理コンソールを開き、画面上部のプロジェクト ID を控えます。
手順6.接続設定の作成
1. dejirenの VA管理画面 にアクセスします。
https://www.dejiren.com/va
2. [接続設定] をクリックします。
3. [新規作成] をクリックします。
4. [Google Vertex AI Gemini] を選択し [次へ] をクリックします。
5. 下の表に従って接続情報を入力し、[作成する]をクリックします。
| 項目名 | 設定内容 |
|---|---|
| 接続名 | 任意の名称を入力します。 |
| サービスアカウントの秘密鍵 | 手順3-12.でダウンロードした、秘密鍵ファイルをアップロードします。 |
| プロジェクトID | 手順5.で確認した、プロジェクト ID を入力します。 |
| ロケーション | 生成 AI のロケーションを選択します。 |
| モデル | 生成 AI との対話に使用するモデルを選択します。 |
| システムプロンプト | 生成 AI に対して固定の指示事項があれば入力します |
| 思考モード ※詳細はこちら | 無効：思考モードを使用しません 有効：[思考予算]で設定した値を上限として、思考モードを使用します 動的思考モード：生成AIが自動的にタスクに応じた上限を設定し、思考モードを使用します |
| 思考予算 | [思考モード]を「有効」に設定した際に適用される、思考予算(使用トークン上限)を設定します。 ※思考予算の設定範囲は生成AIのモデルによって異なるため、公式のサポートページをご確認ください |
| 会話を記憶する単位 | 生成AIに連携される情報の記憶単位を、下記いずれかから選択します。 ・ユーザーごと ・ユーザー×VAごと ・VAごと |
思考モードについて
・コーディング、高度な数学、データ分析などの複雑なタスクに対処するために、生成AIの推論と多段階計画の能力を大幅に向上させるための機能です。
・思考モードを有効化することにより、複雑なタスクに対する回答精度の向上が期待できるものの、推論の実行などにより処理が複雑化するために、通常よりも消費するトークン(料金)が増加します。
・本機能はGemini 2.5 シリーズより実装された機能のため、接続設定で使用しているモデルが「Gemini 2.0 シリーズ」の場合は、接続設定の [思考モード] を「有効」または「動的思考モード」に設定しても思考モードを使用できませんのでご注意ください。
・思考モードを有効化した際に使用するトークン数（料金）の上限は、接続設定の画面で以下の様に決定されます。
| [思考モード] の設定値 | 思考モードで使用される トークンの上限(思考予算) |
|---|---|
| 無効 | なし(思考モードを使用しないため) |
| 有効 | [思考予算]でユーザーが設定した値を上限として使用します ※思考予算の設定範囲は生成AIのモデルによって異なるため、公式のサポートページをご確認ください |
| 動的思考モード | 生成AIが自身で自動的に上限を設定します ※[思考予算]でユーザーが設定した値は適用されません |
◆「思考予算」の上限値は、各処理単位です。
例えば、ある VA 手順書で、VertexAI に連携する「会話の送信」ブロックが複数配置されていて、
それぞれで「思考モード」が「有効」もしくは「動的思考モード」のときには、
各ブロック単位で上限まで思考が働きます。
以上で設定は完了です
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