invoiceAgent 連携での生成 AI 活用例
本記事では、invoiceAgent のファイルを dejiren VA を介して生成 AI に連携し
解析を行わせるなど、invoiceAgent と 生成 AI の橋渡しを dejiren が行うケースについて説明します。
必要な権限・前提条件
環境 | 権限 | 必要な場面 |
---|---|---|
invoiceAgent | この VA で使用する領域へのアクセスができ、アーカイブファイルの格納状態を invoiceAgent の画面上で確認できること | invoiceAgentへのアクセス |
dejiren | VA編集者ロール、もしくはVA管理者ロールに所属するユーザー | VAの設定 |
◆あらかじめ invoiceAgent や生成 AI との接続設定は作成済みである前提でご説明します。
各接続設定の作成方法は下記をご参照ください。
基本的なVAのケース
チャット投稿をきっかけに起動し、
invoiceAgent から ファイルを取得して、
生成 AI に解析させ、
生成 AI が解析した結果をもとにして、
invoiceAgent に保存されている元ファイルのカスタムプロパティに上書きする、
という VA のケースでご説明します。
VA手順書の作成
1. VA 管理画面上部の、「VA」をクリックして、VA 作成画面にアクセスします。
https://www.dejiren.com/va/va-list
2. 新規作成 をクリックし、展開されるメニューから 新規作成 をクリックします。

3. VA の基本情報を設定して、 つぎへ をクリックします。
設定項目 | 設定値 | 説明 | 入力 |
---|---|---|---|
VA の名前 | 任意の文字列 | この VA を識別するための任意の名称を入力 | 必須 |
自己紹介 | 任意の文字列 | VA の名前以外で、この VA を判別するための説明を入力 | 任意 |
ラベル | 任意の文字列 | VA をカテゴライズするための任意の文字列を入力 | 任意 |
利用対象 | みんなの VA | − | 必須 |
保存先のフォルダー | 任意のフォルダー | この VA を格納するフォルダーを指定します。 | 必須 |
VA が動くきっかけ | チャットに投稿したとき | − | 必須 |

4. 「連携先」は「dejiren」が選択されたままの状態で「アクセス権を設定する」をクリックします。

5. この VA の利用を許可するユーザーを設定して、 作成する をクリックします。

6. VA 手順書編集画面に、
「高度な手順ブロック一覧」>「invoiceAgent 文書管理」グループにある、
「PDFファイル取得」ブロックを配置します。

7. 配置した「PDFファイル取得」ブロックをクリックして、ブロックの設定画面を表示します。
8. 各項目を設定して最後に 決定する をクリックします。

設定項目 | 設定値 | 説明 |
---|---|---|
接続設定 | 作成済みの invoiceAgent 接続設定を選択します。 | 接続設定が一つだけの場合には初期状態で選択されています。 |
ファイルパスまたはID | フォルダアイコンをクリックして処理対象のファイルの格納パスを指定するか、ファイルIDを指定します。 | 今回の例では、特定のファイルを直接指定していますが、例えばチャット投稿された文字列情報を元に「ファイル検索」ブロックなどで検索し、該当ファイルを取得、という手順とすることも可能です。 |
文書を開くパスワードを設定する | もし処理対象のファイルの閲覧のためにパスワード設定が施されている場合には、そのパスワード文字列を入力します。 | パスワード保護がなされていない場合には空白のままとしてください。 |
※ 生成AIに直接連携可能なファイル形式は、LLM により異なります。
9. 「PDFファイル取得」ブロックの右隣に、
「手順ブロック一覧」>「生成AI」グループにある、
「会話の送信」ブロックを配置します。

10. 配置した「会話の送信」ブロックをクリックして、ブロックの設定画面を表示します。
11. 各項目を設定して、最後に 決定する をクリックします。

設定項目 | 設定値 | 説明 |
---|---|---|
接続設定 | 作成済みの生成AI 接続設定を選択します。 | - |
メッセージ | 生成AIに送信する指示事項を入力します。 | この例では、このファイルが何であるのかを明示し、どのような情報が欲しいのか、どういった形式の回答を求めるのか、を記載しています。 |
会話を記憶する | OFFの場合、言語モデルは会話を覚えず、常に新しい会話の内容となります。 ONの場合、言語モデルは会話の流れを覚え、その流れを踏まえて会話します。ただし、会話の内容は最後の会話から30分を経過すると忘れます。また、50回分の会話を記憶しています。 | 今回のケースでは、On/Offいずれでも構いません。 |
ファイル | 「PDFファイル取得」で取得したファイルを指定します。 | このファイルが生成AIが解析する対象です。 |
temperature(温度) | 生成AIの回答のランダム性の度合いを設定します。 | 初期値は0.2です。 温度が 0 の場合、確率が最も高いトークンが常に選択されます。 |
トップP | 生成AIが回答として提示する候補文字列を、上位どの程度までとするのかを設定します。 | 通常は設定なしで問題ありません。 |
12. 「会話の送信」ブロックの右隣に、
「高度な手順ブロック一覧」>「invoiceAgent 文書管理」グループにある
「カスタムプロパティ更新」ブロックを配置します。

13. 配置した「カスタムプロパティ更新」ブロックをクリックして、ブロックの設定画面を表示します。
14. 各項目を設定して、最後に 決定する をクリックします。

設定項目 | 設定値 | 説明 |
---|---|---|
接続設定 | 作成済みの invoiceAgent 接続設定を選択します。 | 先の「ファイルプレビュー」ブロックで選択した接続設定が指定されている状態です。 |
ファイルパスまたはID | フォルダアイコンをクリックして対象ファイルを指定するか、ファイルIDを指定します。 | 「ファイルプレビュー」ブロックでは出力値に「ファイルID」を持ちませんが、「ファイル検索」ブロックなどを配置している場合には、その出力結果である「ファイルID」を、「+」アイコンをクリックして指定することが可能です。 |
カスタムプロパティ - 項目名 | 情報を上書きする対象のカスタムプロパティ項目を指定します。 | 今回の例では「取引先」を指定しています。 |
- 設定する値 | カスタムプロパティ項目に登録する情報として、「+」アイコンをクリックして生成AIの回答を指定します。 | - |
15. VA の実行完了メッセージを表示するため、
「手順ブロック一覧」> 「チャット」グループにある
「チャット送信」ブロックを配置します。

16. 配置した「チャット送信」ブロックをクリックして、ブロックの設定画面を表示します。
17. 処理が完了したことを表示するように設定して、最後に 決定する をクリックします。

18. 手順書編集画面左上の「保存💾」をクリックして手順書を保存し、
VA の動作状態を「●停止中」から「●稼働中」に変更します。





作成した VA の動作確認
VA を呼び出して、実行します。
・この例では、作成した VA とのダイレクトチャットを作成して検証に用いています。
・また、処理の前後状態がわかるように、invoiceAgent の画面を表示しておくことをお勧めします。
① invoiceAgent のファイルの「取引先」には何も値が設定されていない状態です。


② VA を呼び出します。
(起動するための文言を指定していないため、どのような文字を投稿しても反応します。)


③ 生成AIが内容を分析して、「取引先」に該当する情報を抽出します。


④ invoiceAgent のファイルの「取引先」に、生成 AI が抽出した情報が追記されました。

バリエーション
さまざまなケースへの適用やバリエーション展開が考えられます。
幾つかの例を記しますので、部分部分を組み合わせて、お求めの機能を持つ VA を作成してください。
ファイルをチャットメッセージで投稿して、
投稿されたファイルの内容を解析してファイル種別を判定、
その結果に基づいて invoiceAgent の適切なフォルダーにアーカイブする



受信メールの添付ファイルを解析し、
ファイルのカスタムメモにメール受信日時と送信者情報を付記して
invoiceAgent にアーカイブする



チャットメッセージとして投稿された文字列から、
生成AIにあらかじめ規定しておいた検索条件への変換を指示し、
その結果をもとにして invoiceAgent でファイルを検索して表示する




invoiceAgent に新規ファイルがアーカイブされたら、
内容を生成 AIで解析し、関係者にチャットで周知する

invoiceAgent に格納されている PDF の全記載情報を文字起こしして、
テキストファイルにして元ファイルと同じ領域にアーカイブする

■関連情報:invoiceAgent 連携 VA の作成方法、生成AIと連携するVA
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